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書籍紹介 |
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No.33
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雨どいに小さなケヤキの苗が芽生えていました。たぶん向かいの大きなケヤキがお母さんです。去年、母親は沢山の種を作り、風に運んでもらいました。その一つが雨どいの中に落ちて芽生えたのです。そこにはちょうど落ち葉がたまり土のようになっていて、雨どいから水が集まり湿っていたのでしょう。日当たりは最高の場所です。 背伸びしている子供のように「どお?お母さん僕いい場所見つけたでしょ。僕大きいでしょ。」と大人ぶっているようです。しかし、ここでは大きくなれません。しかも落ち葉がたまっているだけの雨どいは雨が降っている時はいいけれど、晴天が続くとカラカラに乾いてしまいます。 結局、この子は夏が来る前にあっけなく枯れてしまいました。我が子の芽ぶきと枯れていく姿を見ていた母親の心境はどうだったのでしょう。 それでも「どうかこの中から大きくなる子がいますように。」と願いつつ、毎年たくさんの種を送りだしています。(苗) |
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