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樹木調査隊

樹木Q&A・健康チェック

書籍紹介

No.31

ベンチでほっと一息
 
 ラクウショウという木は北アメリカ東部・メキシコ原産の木で、公園などに植えられている落葉高木です。別名ヌマスギとよばれています。水中や湿地に生えるものは漆根という気根を出す特性があり、その高さは原産地では2mに達します。土壌が過湿でないなど呼吸根を出す必要がない場所では、あまりださないようです。原産地では樹高50mになるものもあるようですが、日本は台風があるので、そこまで高くなれないようです。(せいぜい30数m)
 ラクウショウ特有のこの気根ですが、根が空気を取り込むために地上(もしくは水面上)に出てきます。しかし、土が硬く踏みしめられているような場所では気根を出したくても出せないようです。そんな中でも、ラクウショウはちょっとした隙間や割れ目を見つけて気根を伸ばしています。
イスの下にひょっこりこぶのような気根が出ているのがわかりますか?ここは公園で、たくさんの人が通ります。硬度計で土の硬さを測ったら30以上あり、石と同じぐらいの硬さで、根が伸ばせる硬さではありません。そんな中でもイスの下は踏まれず土は柔らかかったので気根が出せたというわけです。ベンチでほっとしてるのは人だけではなく、ラクウショウの根もほっと一息ついていたのです。
公園でラクウショウを見つけたら、あなたの足元、お尻の下に一息ついている気根があるかもしれません。(苗)
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