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書籍紹介 |
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No.24
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ソメイヨシノの幹の穴から枝が出ているので覗いてみると、中に不定根が伸びていて、その不定根から枝が伸びていました。この桜は過去に車か何かにぶつけられ、傷つき腐朽菌が入り、空洞になったと思われます。また、隣の桜から被圧され、満足に枝葉を広げることはできませんでした。ここで普通なら「かわいそうに」で終わるところですが、この木はそれだけでは終わらなかったのです。ここからが始まり、いや、ここからだって、どこからだって、目一杯生きているのです。穴から入る光を利用して、不定根から、勢いのよい枝を出しました。その枝で葉を広げ光合成をして作ったエネルギーを不定根に送っています。樹木は動けない分だけ、とてもフレキシブルな対応ができるのだなと感心しました。(苗) |
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