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Q2.植木屋をやっていますが、同じモミジ(同一のモミジ)でも冬に落葉せず、枯葉状態で多くの葉が残っている樹があります。年によって落葉する時とほとんどすべての葉が枯れた状態で残っている年があります。理由は?神社、会社の植え込みで、陽当りの良い場所なのですが、夜間の照明は近くにはありません。フェノロジーが狂ったのか?剪定(強、時期)、衰退化?翌年の春には全く正常に葉を再びつけますが・・・(当方の剪定では無いため、剪定の仕方は不明) |
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A2.落葉広葉樹は一般に秋に紅黄葉して落葉しますが、クヌギ、カシワ、コナラ、ロウバイ、マンサクなどは晩夏あるいは初秋のころに緑色の葉が紅黄葉せずに黄土色あるいは褐色に枯れ、落葉せずに枝に着いたままで冬を越し、春の萌芽直前に落葉する、という現象がしばしば見られます。ケヤキ、カエデ等多くの樹種で同様の現象が見られます。カシワはほとんどの葉が紅黄葉せずに枯れたまま付着して越冬しますが、クヌギやコナラの場合は紅黄葉して落葉するものと黄土色に枯れて付着したままのものとがあります。 ロウバイやマンサクは緑色から黄葉して脱落するものと、灰黄色に変わり脱落するものと、付着したままのものとがあります。毎年恒常的に葉が枯れた状態で越冬する樹種はそのような性質だ、ということになりますが、ケヤキやカエデの場合はその年あるいは前年の夏の暑さと乾燥が影響します。 クヌギやカシワの場合は図解樹木の診断と手当を見て下さい。ケヤキの場合は樹からの報告−技術報告集−を見て下さい。 イロハモミジの場合はその年の夏の暑さと乾燥が原因で、葉が夏の終わりか秋の初めに葉緑素が急に分解して枯れて灰黄色になり、そのまま枝と葉柄の間に離層形成がなされずに付着したままで越冬します。離層は萌芽直前に完成して落葉します。カエデの場合、この現象の生態学的な意味ははっきりしませんが、厳しい夏の暑さと乾燥により、葉が養分を回収する前に枯れてしまうのであろうと考えられます。(堀 大才) |
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