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樹木調査隊
樹木Q&A・健康チェック
書籍紹介
樹勢をみる
   第一印象で見てみましょう。同じケヤキですが、どっちが元気に見えますか?右は下しか葉がありませんが、左はたくさん葉をつけて元気そうですよね。良い状態を基準にして判定しましょう。
 最初の印象と各評価項目を判定した後で差が大きい場合は再検討を行ないましょう。
 
樹形をみる
   主に樹冠の状態を観察しましょう。十分な樹冠をもっているかどうか、片枝になっているかどうか(写真左)、幹の傾斜(写真右)の有無やその程度などを見ます。強い剪定を受けていて、樹種本来の樹形が大きく損なわれていれば、マイナス評価になります。
     
枝の伸長量をみる
   樹冠の高い位置の当年枝か前年枝の伸長状態を見ます。下枝や胴吹き・ひこばえや徒長枝などを評価対象としません。しかし、すべての枝が強剪定を受けていて徒長枝しかない場合は今ある枝から推測しましょう。もちろん樹齢によって伸長量は変化することも考慮しなければなりません。
 枝の伸長が少なくなっている樹木の場合、芽と芽の間隔が短く、直線的ではなくジグザクに見えることが多いです。
     
梢や上枝の先端の枯損
   上枝が枯れるのと下枝が枯れるのは理由が異なります。上枝が枯れている場合は、乾燥など根や幹に何らかの障害があり、高い位置まで水が上がりにくくなっていることを示します。
 上枝とは樹冠の上からほぼ1/3までに位置している枝で、自らの樹冠により日陰になることのない枝と考えてください。また、風や日照を強く受けているので乾燥もしやすい場所です。離れた場所やいろいろな角度から観察しましょう。
 
下枝の先端の枯損
   下枝とは、樹冠のうち下部に位置するものをさします。下枝が枯れていてもそれがその木の上枝に覆われて日照不足になって衰退したのなら、その木にとっては成長した結果の当然の生理現象なので問題となりません。他の樹木や建物の影響で枯れたり、下枝にも十分に日射が当たっているのに枯れたりしている場合はマイナス評価となります。
 枝打ちは材をとるための手入れなので、木の健康にとってはマイナス評価となります。生きた枝を切ることは葉や小枝からミネラルを回収したり枝の付け根に腐朽菌等の侵入を防ぐ防御層を形成する時間的余裕を樹木に与えないので、自然の枯損よりもダメージが大きいことが多いです。
 
大枝・幹の損傷をみる
  大枝の著しい枯損や強度の剪定、フラッシュカット(写真右:幹の組織まで除去することになる剪定法)や枝の長い切り残しの有無、幹の損傷を見ましょう。樹木が自然状態で枝を落とす時に、どの位置まで枯れているかを日ごろ観察すれば、切りすぎや切り残しになっていることがいかに多いかを発見することができます。
 街路樹では、出入口に面した部分の幹が損傷を受けていることが多いので、重点的に幹の下部を観察しましょう。
     
枝葉の密度をみる
 
  その樹種は健全であればどの程度の量の枝や葉を持つかを日頃から注意深く観察しておき、良し悪しを見ましょう(カエデ類などは普通あまり枝葉密度は高くない等)。樹林内では枝葉が多いように見てしまいがちですが、1本1本はとても枝葉が
少ないことが多いので、よく観察しましょう(写真右)。
 落葉樹を落葉期に判定する場合は、小枝や冬芽の量を評価しましょう。葉は樹木にとってエネルギーの生産工場なので、葉の量は樹木の活力を示します。したがって、剪定による葉や芽の量の減少はマイナス評価となります。
     
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